もりこーの木曽路日記

平成15年9月29日ー採寸の旅

こじま保育園の74号機



この機関車は番号の変遷が激しく、アルカディアに保存の機関車考にも書きましたが、昭和38年6月に製造されたのちに、47年5月以降に52号機Uに改番、48年8月以前に76号機Uに改番されています。当社ではアルカディアに保存されている機関車を76号機と称して模型化しているので、この機関車は74号機と呼ばせて頂きます。
 74号機はB型客車・運材台車とともに、愛知県豊田市の「こじま保育園」に静態保存されており、往時の姿を偲ぶことが出来ます。何と云ってもこの機関車の特徴は、キャブ前面とラジエター横のヘッドライトの組み合わせにあります。
 いわば後期型のキャブを上から押し潰したような感じで、2枚の正面窓は横長の長方形になっています。屋根上のヘッドライトは後方のみで、その分ラジエター横に(ちょうど76号機のように)2個装備されています。
 私はあらかじめアポをとってお伺いしましたが、公園に保存されているものと違い云わば個人所有ですので、訪れる際には慎重に行動して下さるようにお願い致します。なお、休園日には保育園内には入れませんので、駐車場から眺めることになります。
 

まず、左側から見ていきます。砂箱ハッチの位置は、普通よりも前方にあるのに気付きます。エンジンは左排気・左エアーフィルターです。

 

次に右側を見ていきます。ボンネット脇後方には桃介63号機のように突起があります。キャブ後妻板のプレートは寄贈者の銘板で「昭和52年5月19日寄贈」とありました。後方窓は3枚タイプです。

 

特徴のひとつであるキャブを見てみます。ヒサシの両端にはRが付いています。元のエンジンは右排気だったようで、写真では見難いですが、現在の排気管とちょうど対称の位置に蓋がしてありました。

 

残念ながら右側のヘッドライトは破損しており、左側は全く無くなっていました。ラジエター保護枠は61・63号機などと同じ7穴・内向き足タイプです。コンプレッサーカバーは左側にあり角型。通風フィンは横にしかありません。

 

台枠はいわゆる前期型ですが、中央のSHIBAURA TOKYOの文字がありません。キャブ内はピンクに塗られているので、ディテールが良く判ります。