もりこーの木曽路日記

特別寄稿 天羽さんのアルバムから−6
小俣線の木橋

4回目の木曽行き

 3回目の木曽行きで最後の稼働と思われる撤去作業を確かめた後、しばらくは木曽の情報も入ってこなかったのですが、85年、エコーモデルに寄ったとき、軽便礼賛10号が置いてありました。そこには、地震後に滝越を訪れたレポートとそのとき発見した小俣線のティンバーの写真がありました。
 そもそも、小俣線についてはウグイ川線や王滝本線と較べると早い時期に廃止となっていたと思っており、またその稼働している写真も西さんの本にある黒淵の鉄橋を渡る1枚だけしか見ておらず、よもや簡単にアプローチ出来る場所に遺構があるとは思いもしませんでした。いわば盲点。
 これは行くしかない!と思い、またまた友人と木曽に行くことにしました。このときは、オフロードバイクをキャラバンハイルーフに積み込み氷ヶ瀬で野営をしながら訪問です(自分は学生、友人は西武鉄道の社員でした)。もちろんメインは小俣線のティンバー捜索でしたが、三浦ダムまで遠征したり、瀬戸川線跡をトレースしたり、出来たばっかの赤沢記念館に行ったりしています。友人のキャラバンにバイク2台、自分は借り物のDT125、友人はXL250、を積み込み中央道を伊北まで。まだ長野道は出来ておらず、そこから一般道となります。たぶん(ここらへんから、記憶があいまい)着いた日はバイク降ろさなかったのかと...
 で、何日目に何をしたかが不明なのですがこんな具合です。

1)王滝営林署に通行許可(とういうか一方的通告?)のため立ち寄った。そのとき営林署発行の長野県西部地震のパンフと林道の詳しい地図のコピーを貰う。バイクでの通行は「気を付けて」とのこと。もっとも、地震で御岳林道が不通であり、滝越への生活道路を兼ねていたので問題なかったとも思います。当時、滝越へは、ウグイ川林道、小俣林道、白川林道というルートとなっていました。

2)上記3林道を辿りつつ、小俣線の遺構を探します。軽便礼賛の記事から、見つけるのは難しくないと思われたのですが、ついつい林道走行に夢中になってしまうので、そこは「今日は走りに来たんじゃない」と押さえつつ(笑)そのティンバーはかなり手前からわかりました。おー、あれじゃ!って感じで目に入って来たのを覚えています。
 橋の前後は崩壊していました。写真の通りです。軽便礼賛のレポートでは、橋を渡らなかったそうですが、それは、頭のネジが何本か抜けている我ら!なんの躊躇もなく、渡り始めました。瀬戸川線のそれとは違い、見た目もかなりしっかりしているのと、以前ウグイ川線を訪問した経験もあったからだと思います。
 いま思えばもう少しサイドからや取り付け部なども記録しておけばよかったと反省ですが、当時、模型制作の資料にしよう、と言う発想があまりなかったのですね。資料写真というより、情景写真となっています。

3)黒淵から坊主岩まで歩く。
 翌日だったと思います。ウグイ川林道から黒淵へ降りるポイントがあり、そこから黒淵停車場を経て坊主岩まで歩きました。林道はかなり高いところを通っており、林道から軌道あとまで降りる斜面は徒歩道となっていました。といっても、木にテープでマーキングしてあるのと、踏み分けの跡、そして所々、木の階段って感じで、降りるのに15分くらいかかります。帰りの昇りはもっと大変。
 軌道レベルまで降りるとそこは小俣線の軌道あと。レールも残ってます。そしてその先は黒淵の鉄橋。レールはそのままですが、手すりが出来ていました(写真の通りです)。
 見覚えのある黒淵の事務所、むかしモーターカーで通ったときを思い出します。そこには、軽トラが1台。地震で取り残されたのか、それとも吊って渡したのか?キーは付いていたか思い出せません。軌道あとはレールが剥がされ林道化されていました。あとはテクテク歩くだけ。でも靴が・・・ブーツなんですね。まっ、林道走行するわけですから事故防止でもあり当然なんですけど。
 坊主岩から先はレールを剥がしただけでところどころ枕木が残る軌道跡でした。特に橋の部分、たとえばヘアピンで折り返したあとドンドン高度を稼いで行くところのガーダーの部分とかは綺麗に枕木が残ってました。ただ、根性が無く、ここでストップ(今となっては残念)。ここでも写真撮っているんですけど、前述の通り行方不明(トホホ)

 実は86年87年にも木曽には行ってます。目的は林鉄遺構探索ではなかったのですが、ちょっくら松原とか滝越とかに寄ったりしています。これは「学生二輪連盟」という団体がありまして、それのサマーキャンプがなんと王滝村なのですね。で、それに参加してたというわけです。東京からVT250Fで駆けつけるのです。もちろん、林道も走ります。普通の感覚だとロードスポーツ系のバイクで林道?なのですが、ちょっと経験をつめば下手なオフロードバイクより排気量のあるロードバイクの方が林道は速い!当時の仲間うちでは、特に軌道跡みたいな比較的コーナーの緩い林道の場合、750バイクが一番速かった!!自分も瀬戸川林道とか赤ランプ(警告灯)点滅させつつ走りまわったりして(まさしく林道暴走族じゃ!)今は、バイク無し、車も林道はちょっと(今の前の車はラリー車だった)・・って感じなので、探検が出来ません。(^^ゞ
 そうそう、最初の木曽行き:つまり上松から桟まで歩いたのは確か中学2年。そして助六は中学3年。受験生!本当に中3の時?って数え直したのですけど、77年夏って確かに中3してました。よく親が許したものだと・・・