もりこーの木曽路日記

平成24年7月29日

「王滝・滝越りんてつまつり」の巻


王滝村最奥の集落、森林鉄道の停車場のあった滝越で、標記のようなお祭りがありました。
 かつては賑わいを見せたこの集落も、現在では9所帯15名の方々が暮らしておられますが、この日はかつてのように「りんてつ」一色に染まりました。



 

原田泰治の絵本さだおばさんでも有名になった「滝越デパート」。
 集落の生活物資を上松でE型貨車に積み込み、ここまで運んでいたのですが、その「さださん」経営のお店も今では廃業されてしまいました。
「木曽モジュール倶楽部」の公開運転会は、この「滝越デパート」で行われました。


倶楽部の面々は「滝越デパート」で運転が出来る事にとても喜びを感じ、はるばる東京や関西から手弁当でモジュールを持ち寄っての参加です。

 

 

今回は滝越での運転会という事もあって、その周辺のモジュールを厳選しての運転。長さ1800mmにも及ぶ大きな「滝越」を中心に、蘇水寮への引き込み線など、見どころはタップリ!
 走る車両にしても「やまばと号」など、滝越に所縁のある車両を走らせて、地元の方々に懐かしがられていました。

 

 

デパートの店内には隧道の入り口の標記が飾られていたり、在りし日の写真が飾られていたり、はたまた当時のままのポスターが貼られていて、まるでタイムスリップしたかのよう!
 井上 順も若いですねえ!



 

外に出るとテントの下では様々な御当地ものやグッズの販売も。デパートの外に付けられていた寒暖計の気温は27度。そよ吹く風も心地よく、日影に座っていると居眠りをしてしまいそうなほどでした。

 

ボクは「王滝名物・ごへい餅」というのを買って試食。他の木曽のごへい餅は平らに潰してあって、それを串に刺してあるのが一般的ですが、ここのはまるでオハギのようにお握り状態。それにエゴマなどで出来たタレが掛かっています。
 そのボリュームに半信半疑だったのですが、これがなかなか美味でした!




近くの水交園ではレストア中の119号機のエンジン始動がデモンストレーションされていました。
 この模様は2部に分けてこちらこちらに掲示しましたので、お楽しみ下さい(^_-)。

 

何せ40年近くも動かしていなかったエンジン。それをここまで持って行く苦労は大変だったと思いますが、その作業を一手に引き受けてくれたのが、ボクのクルマ趣味のメカニックでもある小堺クン!
 ラジエター周りは一旦外して、給水口からいたずらで入れられていた石などを取り除き再度組み立てたもの。
 ラジエターは水漏れがしていて、給水口に水道ホースを差し込みながらの運転でしたが、やはり生きてる機関車はイイものです!

 

色は西 裕之氏の指導で塗装直後の色を再現したそうです。色と云えば、ところどころに剥げて見えているのが入線した時のディープグリーン。台枠も含めてこの濃い緑色一色で塗られていたものが、黄緑色と黒に塗り分けられたそうです。
 その後退色によって我々の馴染の草色になったみたいですが、元は凄い派手な色だったんですね!
 ここまで来ると、どうしても走ってる姿を見たくなるのが人情ですが、この先の作業も結構大変そうです・・・。頑張ってネ、小堺クン!



 

公民館では「写真で語る昭和の滝越」と題する催しが行われました。
 何せ殆どのお宅の姓が三浦なので「あれまあ、ゴンザのXXさんだわ!」といった風に屋号で呼び合う仲。今は亡くなってしまった方を偲ぶ姿があちこちで見られ、写真を編集された方も報いられた気持ちだったのではないでしょうか?



やはり「当時林鉄が走っていた場所」というのは空気感が違います。これは多分に心理的なものが作用しているのでしょうが、写真などで見慣れた山の姿や建物、木影の草に座って瞳を閉じれば、そよ吹く風も当時のまま。
 恐らく次に通過する列車を待っていたカメラマンも、同じ風に吹かれていたんだろうな〜、と感じつつ、会場をあとにしました。