粟津公園


昭和52年3月19日に尾小屋鉄道が廃止になり、当初は加賀市の山中温泉の奥にある「県民の森」に静態保存されていましたが、同59年8月1日からは県立小松児童館へと移設されて「なかよし鉄道」と愛称され動態保存運転がされる運びになりました。
 ボランティア組織「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」も立ち上がり、その方々が運営に当たられています。
 当初は123mの線路延長だったものが、同62年6月には273mに、同63年7月には473mに延長され、運転開始以来30年以上にもなるベテラン保存鉄道として現在に至っております。
 今でも毎年12000〜13000人の乗客を迎えるほどに愛される存在として浸透しており、もと金沢営林署の跡というロケーションの良さもあって、大人子供でも充分に楽しい施設です。




 

この公園の案内板の左下にあたる「じどうかいかんまえ」からスタートして、右上の「なかよしの森」まで往復運転。
 この待合室は平成9年3月に建てられたものだそうです。


 

大正ロマン風の機関庫の中には、キハ1・DC121・ホハフ3・ホハフ8が格納されており、通常はキハ1のみの運転ですが、年に数回はDC121が牽く客車列車も運行されるそうです。
 DC121は改造によって正面窓が一部Hゴム化されましたが、保存にあたって元に戻されたようです。
 このようにピッカピッカの状態というのは、本当に嬉しい限りです。


 

運転日は写真のように水曜と週末のみで、以前はこのような乗車券も発行されていたようですが(大昔にどなたかから頂きました)今はありません。
 運転時間前になると放送が流れ、それとともに何処からともなく乗車希望者が集まってきました。
 出発シーンはこちらを御覧ください。よく整備されているからか、床下排気は限りなく透明に近いですが、エンジン音が在りし日を彷彿させてくれます。


 

キハ1は元は機械式気動車でしたが、液体式に交換されています。とはいえ、大きなブレーキハンドルや狭い運転席の風景は懐かしく、思わず自分でも運転したくなってしまうほど。
 乗車希望者の多寡によって運転回数も増やされ、ゴールデンウィーク中とあって希望者が多かったようで、ボクが訪れた時には2往復運転してくれました。
 その模様はこちらを御覧ください。


 

尾小屋鉄道廃止後40年の時を経て、地元の子供たちに(我々のような大人からも?)愛されている「尾小屋のキハ1」。
 キハ1は正面の屋根が「食パン」に改造されちゃったからなあ・・・などと云うなかれ。
 片道僅か3分ほどの距離の往復ですが、「生きている保存車両」はやはり存在感があります。