「別海の保存車両」の巻


次にやはり気になる存在の、別海町奥行臼の保存車両を訪ねてみました。
 ここは別海(正式には「べつかい=Betsukai」だそうで、道路標識などもBetsukaiとなっていますが、地元の方に聞いたら「べっかい=Bekkai」とも云ってるそうです)の最たる特徴だった、ミルクタンクカーの積換施設があった場所です。
 保存車両は町の指定文化財になっているため保存状態も良く、下記のように3年前に訪れた時のようにペンキも剥がれた状態ではなくなっていました。




 

昭和30年、釧路製作所製のトルコン付8t自走客車です。
 オレンジ色に塗られた塗色は正しく、白いストライプの形状も現役当時の姿を正確に再現しています。


 

鶴居の泰和製自走客車の所でも書きましたが、釧路製の台車は揺れ枕の吊リンクが台車枠の内側にあるので、あまり凹凸のないものです。
 一見プレート車輪のように見える駆動車輪は、よく見るとタイヤのリムの内側にまたリムがあって、その中にスポークがあるのが見えます。


 

これが2011年9月に訪問した時の姿です。屋根も無い事から、このまま朽ち果ててしまうのではないか?と危惧されましたが、無用な心配だったようで安心しました。しかし、屋根は是非とも付けて欲しいところです。
 ミルクカーもペンキが塗られていて、「良い感じに朽ちた木部」がそのまま保存されていました。
 逆にこれは新しい材木などを使ってレストアしないで欲しい部分ではあります(^^ゞ。


 

ミルクカーの内部はこうなっています。製品では床の鉄製帯材は省略しましたが、帯板などでディテールアップするのも良いかも知れません。
 台車枠は自走客車よりも簡素な造りですが独特なスタイルをしています。


 

雑草生い茂る向うに3線式機関庫が残っています。
 職員住宅兼待合所も現存していて、以前は室内に貼られていた「簡易軌道写真帖」用にボクが描いた奥行臼の見取り図の拡大コピー版が、表からも見れるような位置に貼り換えられていました。
 これは良いアイデアですね。ここを訪れた方が、以前のこの場所はこうなっていたと理解出来るでしょうから(^v^)。